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3.Storm King Art Center・太陽と静寂 ![]() そんな私の気分を察したかのように、親切な友人がレンタカーを手配してハドソンバレーの野外彫刻美術館・Storm King Art Center へ連れて行ってくれた。 ![]() Zipcarというレンタカーのシステムがあり、会員は電話一本、会員カード一枚で前の使用者から車を受け取り、カードのパスワードでロックを解除し、中に置かれた鍵で出発という仕組み。給油もカードで簡単にでき、都会生活者にピッタリな様子。 運転してくれたPhilipは、道々ハドソンバレーのあるオレンジカウンティの歴史などを色々教えてくれた。娘は、ちょっとモヤのかかったハドソン川の雄大な景色に魅せられ、走れど走れどいつまでも続く大地の広さに大興奮である。 ![]() 途中でランチピクニック用の中華をテイクアウトしたりコーヒーを買ったりしながら楽しいドライブは続き、一時間半ほどでエントランスに到着。早速ピクニックエリアで美味しいランチを頂いた。 ![]() さて、1点1点をじっくり鑑賞し、手触りを確認しようと思うとかなりハードなハイキングである。全て回るには数時間を要するが、やはり間近で見る迫力はこたえられない。要所要所でお茶を飲み、一休みしながら酷暑の野原を果敢に進んでいった。真夏の平日の昼とあり、歩いているのは私達4人だけ。 ![]() ![]() 公式パンフレットを見ると、このセンターは1960年、Ralph E.OgdenとPeter Sternにより設立されたそう。はじめのうちはハドソンバレーの画家のための美術館を思い描いたOgdenだったが、オーストリアの石切り場を訪れてのち彫刻に興味を持つようになった。そうしてDavid Smithの作品設置を皮切りに今のセンターが徐々に構築されていったと説明されている。 ![]() 美術の世界では、常に破天荒で壮大なスケールの構想と信念、さらに執着心の強いコレクターが作り上げてきた殿堂は数多い。それらが後世に感動を残し、人を育て地域、ひいては国を活性化させるのだから本当に敬意を表するべきだろう。 ![]() 平面しか創作できない身としては、彫刻家の3Dの世界を創り上げる才能にいつも感嘆するばかりだが、Sol LeWittの作り出す空間には特別なエアポケットがあり、いつも吸い込まれるような気がする。 敷地内にはまだ製作途中の作品もあり、大地の草の成長を待ちながら創り上げる気の長いプロジェクトがあった。 完成した頃にまた訪ねることができたら、と楽しみである。 |
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